河潟:篠崎さんが、社会人学生として大学院への進学を決めた動機は何だったのでしょうか。
篠崎:フリーアナウンサーとして活動していく中で、大学は数学科出身ということから、数学や理系分野のアシスタントなどの仕事が増えていきました。その中で感じたことは、実験などを通じて目に見える形で伝えることができる分野とは違い、数学の伝え方は本当に難しいということでした。また、どのような力を身につければ伝わるのかも私の中で明確になっていなかったので、研究を通してしっかり考えたいと思うようになりました。
河潟:数ある大学院の中から、なぜこの先進実践学環(以下、「学環」とします。)の修士課程を選ばれたのでしょうか。
篠崎:私の研究したかった内容が、理学部や教育学部、あるいはサイエンスコミュニケーション分野のどれにもピタッとハマらず、どこに行けばいいか悩んでいました。そんなときに、この学環が文理融合・異分野融合を提唱していたので、まさにここしかないと思って入学を決めました。
河潟:篠崎さんは、数学の「翻訳家」を目指されていると聞きました。
篠崎:はい、そうです(笑)。これまでも数学を伝えたり広めたりする活動は行ってきましたが、そこに何かきちんとした裏付けがあるわけではありませんでした。学環での研究を通して、理論的なベースや説得力を身につけられればと思っています。